看取りは終わりではなく、始まりをつないでいく
「看取り」
この言葉は、介護や医療の世界でお仕事をされている方は、聞いたことがあると思います。
実際に、看取りの場を経験された、医療介護職の方もいらっしゃることだと思います。
「看取り」という言葉は、人が亡くなる瞬間に立ち会うことを「看取る」と表現しますが、
その手前の段階から看病し、寄り添うという意味が込められています。
「看」という文字には、「よく見る」「見守る」という意味があります。
私たち、ホームホスピスにじいろのいえでは、何十名の方の「看取り」に関わらせて頂いた
中で、「看取り」の中で大切なのは、時間軸で捉えると、人が亡くなる瞬間の時間よりも大切
なのは、亡くなる前の、体も心も病にむしばまれ、絶望を感じた瞬間からの心身共に、いかに
当事者の方に心を寄せた時間が「看取り」にとって大切な物ではないかと考えています。
「ホームホスピス」の「ホスピス」には、終末期(亡くなるまでの人生の最期の時期)の
緩和ケア(本人の病が原因で起こる、痛みや苦しみを最小限にするためのケア。病気を治す
というものとは違うもの)をする、看取りの場としての認識を持たれている方が多いと思われ
ますが、この言葉には、「ホスピス(Hospice)」の語源はラテン語のHospitiumと言われています。
この言葉は「おもてなし」の意味があります。
この言葉から派生して、Hospital(病院)、Hospitality(おもてなし)などがあり、
お家にお客様をお招きするのはHostと言語表現する。
つまり、ホスピスの本質は「おもてなし」なのです。
「おもてなし」というと、宿泊業や観光業などで、よく使われる言葉で有名です。
以前東京オリンピックの開催国誘致スピーチで滝川クリステルさんが「omotenasi」と発言
されたことで、ブームになりましたね。
私たちは、この「おもてなし」という概念をとても大切にしているように感じます。
「ホームホスピス」は利用者さんにとっては、第二の家のような存在になります。
実際、私たちは利用者さんを「住人さん」お呼び致します。
住人さんにとって、ホームホスピスが「終の棲家」になることになります。
だからこそ、私たちは死というものを、身近に感じている住人さんの「身体とこころ」の痛み苦しみを
「いえ」という空間の持っている力と生活の中での人と人とのつながりというものを最大限に生かした。
「生活の場」としての視点で、「おもてなし」を届けようと考えています。
「あなたや、あなたの大切な人が穏やかな時間を紡いでいけるように」
そして、
「大切な人とのさよならを、またね」
に少しでも変えられるように、私たちは日々を送っています。